Dawn
俺には光と呼べる人がいる。
甘やかすだけじゃなく厳しくも優しい。
本音は言わないようにしている。
理解されないし、そもそも相手にされないからだ。
でもなぜかいつもその光に心を見透かされる。
それがいつもうれしかった。
くだらないと唾を吐いて、孤独を選んだのはただの強がりでほんとは希望があった。
何度も希望に裏切られてもう諦めてしまえば楽に生きられると思うたびに「夜が消えていく」と歌が聞こえる。
大事にしたい気持ちをもう見失いたくない。心に打ち付けるように自分もその歌を口ずさむ。
誰だって光になってくれている人がいるはずだ。
だってこんな天邪鬼な俺にもいるんだから。
いつもそばにいるわけじゃない。いつでも会話ができるわけじゃない。
でもその光がこの世にあるとわかるだけで俺はひとりじゃない気がするよ。
それだけで十分だ。